中国駐在員報告
2004年11月 経済 駐在員 : 小杉 長生
中国経済の牽引役である沿岸部のGDP(域内総生産)は1位広東省、2位江蘇省、3位山東省、4位浙江省となっている。その第2位、第4位を占める長江デルタの1〜9月の経済力が発表された。上海を中心とする長江デルタ15都市の今年1〜9月のGDPは27兆6,472億円(1元=14円)で全国の21.2%を占めた。工業生産総額は47兆9,290億円で、昨年同期比35%増となっている。収入の伸びが消費を後押しして、消費材小売総額は15.5%増の8兆1,382億円であった。長江デルタ地域の主要な都市の1〜9月のGDP、工業生産総額、都市部住民可処分所得は下記のとおりである。
GDP(億円) | | 工業生産総額(億円) | | 都市部住民可処分所得
(円/1人・年間) |
1. | 上海 | 74,265 | | 1. | 上海 | 130,172 | | 1. | 上海 | 176,050 |
2. | 蘇州 | 35,173 | | 2. | 蘇州 | 72,752 | | 2. | 寧波 | 169,260 |
3. | 杭州 | 25,060 | | 3. | 無錫 | 45,673 | | 3. | 紹興 | 164,808 |
4. | 無錫 | 24,225 | | 4. | 杭州 | 43,117 | | 4. | 杭州 | 156,352 |
5. | 寧波 | 20,644 | | | | | | | | |
6. | 南京 | 19,747 | | | | | | | | |
また、別のデータによると、上海市の1世帯当たりの年間可処分所得は年々増加するとともに、その分布も高額へ移行している。それに伴い所得水準が二極化し、貧富の差が着実に拡大している。
上海市1世帯当たりの年間可処分所得分布の推移 (単位:%) |
| 98,000円以下 | 98,001〜
140,000円 | 140,001〜
210,000円 | 210,001〜
280,000円 | 280,001円
以上 |
2000年 | 7.2 | 35.0 | 38.8 | 12.6 | 6.4 |
2001年 | 9.0 | 30.2 | 38.0 | 15.4 | 7.4 |
2002年 | 7.2 | 23.0 | 42.2 | 16.6 | 11.0 |
2003年 | 11.4 | 19.8 | 31.9 | 16.9 | 20.0 |
上記の表が示すとおり、上海市は高額所得者の増加に伴い、静岡県の観光客誘致、製品売込み先等色々な分野でのターゲットとしての位置付けも高まっている
また、静岡県と友好関係にある浙江省の3都市寧波、紹興、杭州が上海に次いで可処分所得で上位を占めている。浙江省も消費者として、また観光客誘致のターゲットとして上海と同様、重要になると考えられる。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
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