韓国駐在員報告
2019年8月 経済 駐在員 : 小関 克也
アメリカの新興企業向け株式市場NASDAQをモデルとして作られた韓国店頭市場KOSDAQ(コスダック)の株価指標であるコスダック指数が7月29日、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足以前の水準にまで低下した。韓国政府が掲げる「革新成長」に対する失望感と景気鈍化に対する懸念が市場に反映されたと分析されている。
29日のコスダック指数は前週末に比べ4%下落し、618.78で引けた。代表的な株価指標である韓国総合株価指数(KOSPI)も1.78%安の2029.48となり、2000ポイント割れが目前に迫ったが、下落幅はコスダック指数がはるかに大きかった。
文在寅政権の発足当時、640前後で推移していたコスダック指数は昨年初めに一時900を超える水準にまで上昇した。韓国政府が「革新成長」を掲げ、中小・ベンチャー企業支援に取り組み、コスダック市場に対する期待感が高まったためだ。しかし、1年半で上昇分を吐き出し、政権発足以前の水準にまで下落した。
要因としては、市場を牽引してきた製薬バイオメーカーの主力製品認可取消、エンターテインメント企業のスキャンダルによる業績悪化のほか、有望な革新企業のコスダック新規上場もなかったため、革新成長に対する期待感が失望感に転じたことが挙げられる。
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