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韓国駐在員報告2009年1月 経済 経済大統領と呼ばれた「ミネルバ」の逮捕 直接の容疑は、昨年12月29日に「政府が金融機関や輸出関連企業にドル買いを禁止する緊急の公文書を送った」などとする虚偽の内容を含む書き込みを行ったことであるが、検察は、書き込みにより外国為替市場で一時的にドルの買い注文が殺到する事態が引き起こされたとしている。 ミネルバとはローマ神話の「梟を連れて歩く知恵と工芸を司る女神」のことだが、自称ミネルバは昨年3月頃から経済関係の書き込みを多数行い、「李明博政権の経済見通しが相次いで外れる中で、リーマン・ブラザーズの破綻を予測したことから注目されることとなった。その後も為替や株価、不動産の動向などを的確に分析して、金大中(キム・デジュン)政権時の経済首席秘書官やテレビのニュースキャスターなどからも絶賛されるなど、多くの投資家やネットユーザーから支持され「経済大統領」と呼ばれるほどまでになっていた。 ミネルバは自身を「米国で修士号を取得し、企業の合併・買収(M&A)とサブプライム資産の設計にかかわっていた」と紹介している。 しかし、逮捕されたミネルバは、理工系大学出身の30代の無職の男性で、外国に滞在したことも、経済学を専攻したことも金融機関に勤務したこともなかった。 検察はパク容疑者を経済専門家などではなく、「盗作の専門家」だと指摘している。 現在、韓国内では、ミネルバへの失望や惑わされたことについての自嘲の念など様々な反応がある一方、逮捕をめぐり「虚偽事実を流布し、公益を損ね、その影響力は大きく逮捕は当然」「個人が単なる意見を書き込んだくらいで逮捕するであれば、表現の自由が損なわれ民主主義の大きな脅威となり明らかに行き過ぎだ」と賛否両論が巻き起こっている。 |
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