中国駐在員報告
2006年2月 社会・時事 駐在員 : 小杉 長生
静岡県内で百貨店の撤退話がいくつかあるが、上海の百貨店の状況は、上向きに推移している。
上海の各百貨店では購買意欲を高めるため、店内改装がよく行われており、日本と違い、販売台の単なる移動ではなく各ブランドごとの大がかりなディスプレイが行われている。しばらく店に行かないと、店内が様変りしており、全く違った店に入ったような錯覚をするぐらい新鮮さを感じられる。
上海市商業信息中心の調査によると、1位は浦東新区にある上海第一八佰伴である。対前年比18.6%の売上増である。日系のヤオハンが撤退した後も名前を残し営業しているもので、食品部門は日系が経営していた項は日本製の食料品を多く扱っていたが、現在は価格的に受け入れやすい中国国内産が中心となっている。商品構成や店内内装は他店と大きな違いはない。
八佰伴の売上が1位となった理由は立地条件にあると思われる。浦東新区の近隣に競合店が1店舗もないことが上げられる。10位までの他の9店舗は全て浦西に有り、南京路に4店舗、淮海路に2店舗、徐家匯に3店舗となっている。
また、売上の伸びが最も大きい百貨店は南京東路にある永安百貨店で、26.6%増の5億4311万元(約81億4665万円)で12位となっている。永安百貨店は、上海のデザイナーが数年前に外装を建設された当時の形にもどし、休日には南京路に面したバルコニーからバイオリンの生演奏を行うなど、集客力を高めている。
10位の上海市内百貨店の売上は次のとおりである。
順位 | 店名 | 売上高(万元) | 売上高(日本円) |
1 | 上海第一八佰伴 | 209,830 | 314億7450万円 |
2 | 上海新世界城 | 152,874 | 229億3110万円 |
3 | 上海東方商厦徐匯店 | 122,504 | 183億7560万円 |
4 | 上海市第一百貨商店 | 113,971 | 170億9565万円 |
5 | 上海太平洋百貨徐匯店 | 101,321 | 151億9815万円 |
6 | 上海九海百盛広場淮海店 | 97,434 | 146億1510万円 |
7 | 上海置地広場商厦 | 80,810 | 121億2150万円 |
8 | 上海匯金房地産匯金百貨商厦 | 76,303 | 114億4545万円 |
9 | 上海太平洋百貨淮海店 | 72,787 | 109億1805万円 |
10 | 上海東方商厦南京東路店 | 65,792 | 98億6880万円 |
* 1元=15円
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