東南アジア駐在員報告
2015年5月 経済 駐在員 : 芦澤裕之
平成27年3月、静岡県ミャンマー・タイミッションに参加した。私にとっては、平成26年6月以来、9ヶ月ぶり2度目のミャンマー訪問となる。
訪問前の一番の関心事は、日本が官民挙げて全面協力する一大プロジェクトとなっている、ティラワ経済特区開発の進展具合であった。現地に到着すると、広大な砂地の中で工場の建設が始まっていた。本年10月とされる最初の操業に工事が間に合うのか、不安を感じさせる進展状況であったが、日本の開発担当者は、操業に向けて各種準備は進みつつある、と自信を見せていた。なお、3月18日時点で38社から工場設立の認可申請があり、うち約半分が日系企業であるという。
また、ヤンゴン市街からティラワ経済特区とは反対側の工業団地内にある、本県関係企業のASMOミャンマーを訪問した。
ASMOミャンマーは、自動車のウォッシャーホースを製造しており、約200人の従業員を雇用している。
他の東南アジア諸国に比べて貧しいミャンマーでは、自転車を買えない者も多いことから、ASMOでは、従業員への自転車貸与を行っている。また、給料を家族に仕送りするために食事を抜くので、栄養状態が悪く仕事中に貧血で倒れる者がいることから、お昼に白米を提供する「炊き出しプロジェクト」を実施している。さらに、コップの回し飲みをするなど衛生状態がよくないため、工場内で感染症が流行したりすることが多いことから、コップの支給やシャワールームの整備を行っている。
開発途上であることに伴う輸出入手続の煩雑さや、工具、備品不足などの困難さがあるにも関わらず、こうした、従業員を第一に考え、進出先の経済発展に貢献する目的を持った会社運営をされていることに、訪問団一同、深い感銘を受けた。
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