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中国駐在員報告
2010年11月 経済 駐在員 : 野村芳一
中国自動車工業協会は10月12日、9月の中国新車販売台数が155万6700台と、前年同月比16.9%増加したと発表した。
100万台を突破するのは19カ月連続。米国の販売台数(95万8966台)を上回り、世界一の座を維持した。
燃費性能に優れる小型車への補助や自動車買い替え補助金制度が、販売を押し上げており、通年で1700万台に達し、金融危機前に記録した米国のピーク時に並ぶ、との見方もある。
ただ、生産能力については、2015年末に主要メーカー30社で年間3000万台を突破する見込みで、将来の供給過剰についても心配される。急速な自動車の普及で、エネルギー不足に対する懸念も強まっており、減税など購入促進策が来年以降も継続されるかについても不透明な状況である。
また、中国が世界最大の自動車販売市場となることに伴い、中国の自動車産業も新たな発展段階に入る。現在制定中の自動車産業の「第12次五カ年計画(2011年-2015年)」では、中国の自動車産業は今後5年間で、これまでの「規模拡大」から、「実力強化」へと転換を進める。具体的には、新エネルギー自動車を含む省エネ自動車の発展を提唱していく一方で、合併買収などを通じて構造的な生産能力の過剰を解決していくという。
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