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中国駐在員報告

2006年8月 経済
駐在員 : 小杉 長生


    2年前に私が赴任した直後に、県中国事務所の現地職員の採用のため、募集を行った。上海市内で日本語能力が高く、優秀な学生が多いといわれる復旦大学、華東師範大学、上海外国語大学3校の日本語学部に募集をしたところ、10名前後の応募があった。そして今年も同様に募集をしてみると、なんと30名前後の応募があった。
    応募者の増加の原因を調べてみると、理由の1つ目として、応募側の大学生と採用側の日系企業との需給バランスが崩れてきたことがあげられる。中国国内では大学卒業者数が増加している。多くの大学では、経営のために、卒業生の就職率の高い日本語学部の定員増や日本語学部の新設を行ってきた。一方、採用側の企業の状況としては、以前より少なくなったとはいえ、日系企業の進出が現在も続いている。しかし、以前とは異なり、第3次産業であるサービス業の企業が増加しているため、日本語を十分に話すことができなくても人件費の安い人材を採用する傾向が見え始め、相対的に大学卒業者の採用が減少している。この第3次産業における外資系企業の増加について、北京市統計局のデータでは、今年1〜5月に北京市で設立が認可された外資系企業の中で第3次産業の企業は741社となっており、全体の84.1%を占めている。
    理由の2つ目としては、学生の日本語能力の格差の問題である。日本と同様に優秀な学生は複数の会社から採用通知を得ているが、逆に全く採用されない学生も多数いる。日本語を学ぶ学生が増えたことにより、同じ大学卒でも能力の格差が広がっており、学生全体から見ると就職難といわれ始めている。
    中国で文科系大学トップの北京大学、理科系大学トップの清華大学でも就職率が落ちているといわれている。今年6月時点において、北京大学卒業生及び同大大学院修了生については約40%、清華大学卒業生については約70%が、まだ就職が決まっていないという。
    中国の名門2校の就職率の低下の主な理由は、教官や大学教育のレベルの低下とともに、優秀な学生が集まらなくなってきたことが大きいと考えられる。学生達は、現在の社会的ニーズに合致し、さらに将来の自分の人生に役に立つという視点から大学を選ぶようになった。その結果、中国統一大学入学試験における各地域のトップクラスの学生が、香港の大学へ進学することが多くなってきた。中国本土の受験生が香港の大学に最も注目している理由は、卒業後の進路にある。香港の大学では、海外で通用する知識を英語で身につけることが可能であるため、欧米をはじめとした多国籍企業等へ就職するなど、多彩な選択肢を得ることができるからだ。
    中国の大学においても、日本と同様に、生き残りをかけて大学運営を考える時期が間近に迫っていると思われる。


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