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中国駐在員報告
2005年1月 経済 駐在員 : 小杉 長生
2004年4月29日、国務院弁公庁から「国務院の土地市場整理整頓の展開、厳格な土地管理の徹底に関する緊急通知」が公布された後、全中国の開発区の調査が行われ、その間開発区での土地の審査認可の一時停止や建設工事の停止が行われた。
調査が終了し、2004年11月17日に国土資源部から公布された「第一次計画審査通過の開発区の公告」の中で、審査を通過し、適正な建設用地として認められた全国52か所の国家級経済技術開発区が発表された。上海、江蘇省、浙江省では以下の13箇所が含まれている。
地域 | 開発区等 |
上海市 | 閔行経済技術開発区、虹橋経済技術開発区、金橋出口加工区、
漕河*新興技術開発区(4か所) |
江蘇省 | 南京経済技術開発区、昆山経済技術開発区、蘇州工業園区、
南通経済技術開発区、連雲港経済技術開発区(5か所) |
浙江省 | 杭州経済技術開発区、蕭山経済技術開発区、寧波経済技術開発区、温州経済技術開発区(4か所) |
次いで2004年12月28日に「第二次計画審査通過の開発区の公告」が公布され、今回は輸出加工区と保税区が発表された。上海、江蘇省、浙江省では下表の17か所が含まれており、第一次、第二次併せてこれら地域で30か所の開発区、加工区及び保税区が認められたことになる
静岡県中国駐在員事務所では、これまで国家級、省級以上の開発区への進出を薦めていたが、今後は審査に合格した開発区、加工区を推薦していく。
地域 | 加工区・保税区 |
上海市 | 上海漕河*出口加工区、上海松江出口加工区及びB区、
上海青浦出口加工区、上海金橋出口加工区(南区)、
上海閔行出口加工区、上海外高橋保税区(6か所) |
江蘇省 | 江蘇南京出口加工区及び南区、江蘇鎮江出口加工区、
江蘇無錫出口加工区、江蘇蘇州工業園区出口加工区及びB区、
江蘇蘇州高新区出口加工区、江蘇南通出口加工区、
江蘇連雲港出口加工区(8か所) |
浙江省 | 浙江杭州出口加工区、浙江寧波出口加工区、浙江嘉興出口加工区(3か所) |
浙江省は、独自に上海市、江蘇省及び浙江省に立地する企業のこれらの地域に対する評価を調査した。その結果によると、重要なのは土地価格と税制上等の優遇政策の適用となっている。業種によっては市場情報及び人材、企業のイメージアップ(上海進出による)などもあげられている。
13項目の調査項目の内、11項目で上海の評価が高く、江蘇は土地の価格、浙江は業界団体などの仲介サービスの充実度の項目のみで評価が高かった。
項 目 | 土地* | 電力 | 原材料 | 融資環境 | 業界団体等 | 人材資源 | 高級技術人材 | 高級管理職人材 | 市場化のレベル | 経済発展の潜在力 | 産業政策 | 市場経済の秩序 | 市場情報の充実度 |
浙江 | 69.8 | 29.5 | 64.9 | 66.3 | 63.9 | 67.5 | 64.0 | 65.8 | 71.9 | 73.4 | 71.2 | 72.3 | 72.3 |
上海 | 74.8 | 71.9 | 71.7 | 70.2 | 61.4 | 72.5 | 73.6 | 72.4 | 77.1 | 78.1 | 74.6 | 76.4 | 79.1 |
江蘇 | 74.9 | 65.9 | 68.7 | 61.1 | 60.1 | 65.5 | 62.5 | 62.5 | 65.5 | 73.9 | 71.7 | 69.2 | 67.8 |
*「土地」には価格や税制上の優遇政策を含む
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