台湾駐在員報告
2016年7月 経済 駐在員 : 内藤晴仁
台湾最大級の食品展示会である「台北国際食品展覧会(FOOD TAIPEI)」が、6月22日(水)から25日(土)まで台北市内で開催された。26回目を迎えた今年は、台北市を代表する2箇所の巨大展覧会場に、1,600社以上の企業が約4,000近いブースを出展し、大変な賑わいをみせた。
日本企業も多数出展しており、中でも日本館(JAPAN PAVILLION)の存在感は圧倒的であった。これは日本貿易振興機構(JETRO)が主催したものであり、約60ブースに計102社が参加し、日本食調理のデモンストレーションや新商品の試食試飲等に、何人ものバイヤーがブースを訪れていた。出展者の話によると、日本館にはほぼ全ての台湾のバイヤーが訪れるとのことであり、小売店用だけでなく業務用や外食用など様々な商談のチャンスが訪れるとのこと。このため出展者は、次から次へとブースを訪れる台湾のバイヤーに笑顔で対応していた。
静岡県は、台湾での県産品の販路開拓のための支援策として、今年初めて日本館のブースを確保し、県内企業2社が出展した。
出展者に展示会の感想を伺うと、いずれも台湾バイヤーの反応は良く、目の肥えた台湾バイヤーから評価や指摘を受けたことで、台湾市場での可能性や今後の商品改善の方向性が見えてきたとの感想があった。
台湾では日本産食品の輸入規制のほか、残留農薬検査や産地証明書の提出等、他国・地域に比べ手続きが煩雑という声があるが、台湾での日本食人気は高まる一方であり、各都道府県は争うように自身の特産品を台湾に売り込んでいる。台湾風にアレンジした「日式料理」を提供するレストランもある一方、最近は本来の「日本料理」を提供するレストランも増えている。これは多くの台湾人が日本を旅行し、本物の日本料理に触れる機会が増えてきていることが、理由であると思われる。
静岡県は「食の都」づくりを進めるため、県産品を用いた料理レシピの開発や普及等に力を入れている。県産品を用いた料理の味を台湾の方に知っていただくことで、台湾での県産品の販路開拓につなげていきたい。
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