東南アジア駐在員報告
2017年6月 経済 駐在員 : 芦澤裕之
タイでは、日本食レストランや訪日旅行者の増加と連動するように、緑茶のペットボトルやティーバックを見かける機会が増えてきているものの、まだ、緑茶がタイ人に浸透しているとは言いがたい。
一方で、甘い飲料や脂っこい食べ物を好む食生活と、工業化の進展による労働環境の変化が生活習慣に影響を及ぼし、近年、糖尿病などの生活習慣病患者が増加している。このため、タイ国政府ではその対策が喫緊の課題となっており、タイ人の間にも美容と健康への意識が高まってきている。
こうした状況を活用して緑茶の浸透と販売促進を図るため、当事務所では、今年度、タイの工場で健康教室を開催し、健康に良い飲み物として緑茶を紹介する取組を始めている。
健康教室は、県内進出企業の昼食時の社員食堂を会場に、タイ人従業員を対象として行う。まず、希望者に体脂肪率などを計る体組成計による健康チェックを行い、カウンセリングする。その際に緑茶の効能を説明し、緑茶の試飲を実施する。カウンセリングと試飲を組み合わせることにより、「緑茶=健康」という意識を植え付ける狙いだ。また、健康状態の結果は人事担当者に提供して、従業員の健康増進に役立てていただく。
5月22日、トライアルとして、第1回目の健康教室をアマタナコン工業団地内の工場で開催した。約100人に緑茶を試飲してもらい、そのうちの41人に健康チェックを実施した。味については9割以上の従業員から緑茶について「香りがいい」「日本らしい味がしてよい」などの好意的な反応があった。
今年度はタイに進出している県内企業10社程度に、同様の取組を行う予定である。
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