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中国駐在員報告
2011年8月 社会・時事 駐在員 : 井口真彦
浙江省杭州に出張すると困るのが、市内での移動である。
現在、2012年完成予定の地下鉄1号線の工事が市内のあちこちで進められている上、西湖の世界文化遺産リストへの登録決定により目に見えて観光客が増え、市中心部の車での移動は、時間が読めない状況である。
一方で、日本より料金が割安なため市民の足となっているタクシーの数が、杭州では比較的少なく、タクシーが拾いにくい状況にある。
そのような中、8月1日、杭州市内でタクシーの運転手が待遇の改善を求めて大規模なストライキを行った。翌日の上海の新聞によると、ガソリン価格の上昇と運転手への手当不足を不満として、市内8千台余りのタクシーのうち、少なくとも3分の1の車両がストに参加したとのことである。
中国のタクシーは、車両は会社が所有するが、ガソリン代は運転手が負担していることから、ガソリン価格の上昇により手取りが減り続ける運転手の不満からこのような事態に発展した。
タクシー運転手の待遇が改善されない限り、タクシーの数が更に減少することが予想され、杭州の「交通難民」の数はますます増えそうである。
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