東南アジア駐在員報告



2012年10月 経済
駐在員 : 長谷川卓


     9月3日〜7日、静岡県経済産業部主催の「静岡県ビジネスミッション(ミャンマー)」に随行して、ミャンマーの首都ヤンゴンを訪問し、アウンサン・スーチー氏解放後、民主化が進み、日系企業の注目が高まる同国の社会経済状況の調査、視察を行った。
     親日的な国が多いアセアンの中でも最も親日的と言われるミャンマー。3年ぶりのヤンゴンは、市内を走る自動車が、1980年代以前の日本車から2000年代以降の日本車に代わり、渋滞がさらに激しくなっていた。携帯電話は、国外との通信環境が依然として良くないため、持参した携帯電話は使えず、ミャンマー国内専用機(SIMカード)を借りることとなった。
     製造業の投資環境について、道路、水、電気、通信などのインフラ(基盤)を完備した数少ない工業団地はすでに完売のため、現在建設中の工業団地を見学したが、見渡す限りの原野・農地に、手作業でレンガ積みの境界壁を建設している様子を見ると、売約済みの区画もあるようだが、完成はいつになることかと感じた。日本の支援により建設予定の経済特別区(SEZ)の一つ、ヤンゴン近郊ティラワ地区も見学したが、ようやくFS(実施可能性調査)に着手、工業団地が完成するには最低数年はかかる状況だった。
     サービス業の拠点となるヤンゴン市街のオフィス向け物件は、外国企業からの引合いが集中し、家賃が急上昇している上、需給がひっ迫している。さらに、市内の土地価格が急騰したため、新たなオフィスビル建設は難しい状況にあり、古い建物の改築や高層化により、需要に対応している。
     日系企業の投資先としては、まだまだ厳しい環境にはあることはわかったが、海外展開経験のある県内企業参加者によれば、1990年代初頭の中国も同じような状況だったとのこと。先行者利益を得たい企業にとっては、検討の価値はあるようだ。

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