中国駐在員報告
2019年7月 社会・時事 駐在員 : 土屋 岳久
6月21日に中国大陸の映画館で宮崎駿監督のジブリ映画『千と千尋の神隠し』の上映が開始され、公開初日の興行収入が約9億円に上ったことが話題となった。
昨年12月14日には同じくジブリ映画の『となりのトトロ』が中国大陸で初めて正式上映され、公開3日間で約15億円の興行収入をあげたことが話題になったばかりであるが、今回の『千と千尋の神隠し』はジブリ映画の中国大陸での上映第二弾となる。
『となりのトトロ』は1988年、『千と千尋の神隠し』は2001年に日本で公開されており、20年から30年前の映画が何故、今になって初上映なのか不思議に思う人も多いかと思う。中国では海外映画の上映本数が制限されており、映画製作国との政治的関係も上映に大きく影響するため、現在の日中間の良好な関係に加え、ジブリ映画自体が(良くない事ではあるが)海賊版DVD等で広く中国人に認知されていることから、確実な収益が見込めることが公開の決定打になったのではないかと推量される。
これら2作品の上映成功は、海賊版ではなく正規版を求めるという中国人の意識の変化を示す一つのケースであり、中国は海賊版の宝庫であるという悪しきイメージを変えるきっかけになると私は考える。
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