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東南アジア駐在員報告2005年11月 経済 ・フィリピン 海外生産拠点として活躍する本県企業
タミヤ・フィリピンの副社長は、オペレーションのし易さ(英語での会話)や、立地条件を考えると、この地への進出は成功であったとこれまでを総括しつつも、委託生産をしている中国工場との価格競争など、今後の厳しさも指摘している。 ちょうど1993年〜94年頃は、フィリピンの政治的な安定(ラモス大統領時)や各種の規制緩和策(1991年に外国投資法制定)を背景にフィリピンへの投資ブームが始まった時期でピークの1996年には、直接投資受入額は36億2千万米ドルに達したが、97年以降はアジア通貨・経済危機の影響を受けて、投資は下降局面に入っていた。2003年には6億3千万米ドルにまで、6年連続で落ち込んでだが、2004年には一転して経済危機以降で最高の30億9千万米ドル(主因はナウル共和国などのタックスヘイブンを経由した大型投資案件があったこと。)に回復し、前述のとおり今年の第2四半期まで順調に推移している。 しかし、これまでフィリピンに進出した日系企業の動向については、中国への生産拠点の移管が懸念される中、今の所顕著な動きはない。その理由として、ジェトロ貿易投資白書(2005年版)では、@外資系企業の進出時期が主に1994年以降で、設備が未償却の企業が多いこと。AHDD、半導体製造などは多額の設備投資を必要とすること。Bエレクトロニクス製品の製造コストに占める人件費の比率が比較的低いこと。Cエレクトロニクス関連部品産業が集積しており、部品調達が容易であること。D人材が育っており、短い製品サイクルに対応できること、などを挙げている。 来年前半には、日本・フィリピン経済連携協定の発効も予定されており、経済交流が一層進むものと期待もされるが、アジア通貨危機を克服し世界を代表するホビーブランド「TAMIYA」の生産拠点として活躍するタミヤ フィリピンには敬意を表する。 * 注・・・アロヨ大統領の選挙不正疑惑とは、昨年5月の大統領選挙期間中に、アロヨ大統領が選挙管理委員と電話で得票についての会話をしたとされる疑惑。野党議員らによる弾劾申し立てがなされたが、9月上旬、下院本会議で棄却され、アロヨ大統領の退陣の危機は一先ず回避されたと言われている。しかし、大統領辞任要求の動きは続いており、政治不安は収まっていない。 |
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