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韓国駐在員報告
2013年12月 経済 駐在員 : 松村 昭宏
「産業用電気料金は2000年以降、14回にわたり78.2%も値上げされた。2013年初めの値上げに続き、またしても6.4%も引き上げたことは、産業界に過度な負担を与えかねない。」
韓国政府が11月19日に電気料金の値上げを発表したことを受け、全国経済人連合会(全経連)は上記のような論評を出した。電気料金が上がれば、鉄鋼や石油化学など電力消費の多い産業の競争力が低下しかねないとの指摘である。
全経連の主張だけを聞くと、値上げはひどい仕打ちのように感じられるが、統計庁や韓国銀行(韓国の中央銀行)が発表する物価指数を見ると、実際はそうでもないことが分かる。産業用電気料金は2010年を100とすると2000年は72.8、2012年は118.8で、12年間で63%ほど上昇している一方、同期間に都市ガス料金は49.9から115.8に、灯油の料金は50.7から128.7に、それぞれ100%超上がっている。液化石油ガス(LPG)料金も43.5から116.0へと約2.7倍上昇した。電気料金が大幅に上がったというが、ほかの燃料に比べると上昇率は低い。企業は石油やガスよりも値上げ幅の低い電気を使い、利益を上げてきたとの反論もある。
実際に、韓国と競争関係にある日本のビジネスマンの間では「韓国は電気料金が日本の3分の1にすぎず、法人税も半分ほどなのに、それだけの成果しか出せないのか」ともささやかれているとのこと。企業が電気の無駄遣いをやめれば、韓国の電力消費を10%ほど減らせるとの分析もある。
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