台湾駐在員報告
2019年6月 政治 駐在員 : 宮崎 悌三
台湾の国会に相当する立法院で、5月17日、同性婚の権利を保障する特別立法案が可決し、わずか4日後の同月24日に施行された。報道によると、同日午後5時時点では、台湾全土において500組が婚姻届を提出した。
台湾では、2017年5月に、同性婚の権利を保障していない当時の民法が、違憲であるとの司法院大法官会議(憲法解釈を担当)の判断が下され、2年以内に法改正の実施を求めたことを受けて、今回の特別立法となった。
特別立法では、18歳以上で婚姻関係にある2人の間での財産継承、医療行為時の同意権、どちらか一方の実子の場合、養子縁組を認める等の内容が盛り込まれている。
特別法案可決で、台湾を誇りに思うと考える人がいる一方で、与党民進党の支持母体の一つである長老教会(キリスト教一派)内でも賛否両論があったように、私の周囲でも、同性婚を受け入れ難いと考える人も少なからずいるように感じる。
法案賛成の与党民進党と、法案反対の野党国民党からそれぞれ造反議員がいたことから、議員名指しでの批判や評価が台湾のメディアを賑わせていたが、蔡英文政権にとって、法案可決が成果と呼べるまでには、時間が必要かもしれない。
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