韓国駐在員報告
2010年4月 経済
駐在員 ： 掛沢 孝寿
韓国の公正取引委員会は３月11日、大韓航空とアシアナ航空が、近年シェアを伸ばしつつある格安航空会社の営業活動を妨害したとして大韓航空に103億9,700万ウォン、アシアナ航空に６億4,000万ウォンの課徴金を課し、是正命令を発動したと発表した。
公正取引委員会によれば、両社は済州(チェジュ)航空など格安航空会社を利用する旅行会社に対し、シーズン時や人気路線での自社の航空券販売を制限するとの圧力をかけ、格安航空会社の航空券販売を妨害したとのことである。
また、大韓航空は大手旅行会社に対し、自社の販売シェア確保の見返りにリベートを支払い、航空券を値下げして消費者に販売できないようにしてきたことも明らかにされた。
これにより、設立初期であった格安航空各社は、設備投資などでひっ迫していた経営状況に追い打ちをかけられ、旅行会社や消費者も安価な航空券を購入できず、不利益を被ったとみられている。
公正取引委員会によれば、格安航空の排除は新規参入の規制緩和を通じて市場競争を促す政府の方針にも反するとも指摘している。
韓国では現在、済州航空やエアー釜山、イースター航空のほか、大韓航空が100％出資するジンエアなどの格安航空が運航している。
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