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中国駐在員報告

2014年5月 経済
駐在員 : 井口真彦


上海在住10年以上の元新聞記者のジャーナリストが主宰する勉強会に、毎月1回参加している。
4月下旬に開かれた勉強会では、中国国家統計局が同月16日に発表した2014年1〜3月期の国内総生産(GDP)が、実質ベースで前年同期比7.4%増となったことの評価が主な内容であった。
7.4%増という数字は、2四半期連続のマイナスで、減速局面が長く続いていた12年7〜9月期と並ぶ1年半ぶりの低い伸び率であり、また、12年、13年の実績である7.7%、3月の全人代の政府活動報告で李克強首相が表明した今年の成長率目標の「7.5%前後」をも下回るものである。
日本のマスコミは、こぞって「減速」、「鈍化」、「頭打ち」と書き立てるが、この数字はどのように理解すべきなのであろうか。
この講師が最近良く使う例えは、「中国は既に高校生だ」というものである。つまり、身体的にも精神的にも大人の仲間入りをする直前の高校生が、これまでのように毎年7.5pも成長を続けるというのはあり得ない。既に日本をはるかに凌ぐ世界第二位の経済大国となった中国は、安定的な成長に舵を切っている。そして、それでも依然として高い成長率を維持している構図は何ら変わっていない、というものである。
「7.5%前後」と、初めて下振れも容認する形で成長率目標を示した後の記者会見で、李克強首相は、「必要性と可能性をともに考慮した」目標であると言及したことからも、政府としても今回の7.4%という数字は決して悪いものではないと認識しているはずである。
全人代では、GDPの他にも、小売売上高の目標を13.1%増から14.5%増に引き上げ、固定資産投資額を19.3%増から17.5%増に引き下げるなど、投資依存から内需重視への転換の姿勢を明確に示しており、共産党指導部は機関紙・人民日報などを通じて経済の構造改革に着手していることをアピールしている。
もちろん、中国には、収入格差、農村戸籍、汚職、無駄なインフラ投資や不動産バブル崩壊の可能性など、問題が山積していることは間違いないし、政治的リスクを含むいわゆるチャイナリスクの存在も指摘されている。
しかし、7.4%という数字を、成長率よりも経済構造の改革を優先し、意図的にゆっくりブレーキを踏んでいる国家指導部の姿勢が現れた結果として見れば、まだまだ十分な高成長を示す数字であり、中国はまだまだ非常に魅力的な市場と言えると思う。
最近の日系企業の動きを見ても、多くの企業がそのように考えていることが見て取れる。好調な自動車産業やその関連産業だけでなく、小売業の出店強化も目立つ。4月25日に江蘇省蘇州市に華東地区で初めてとなるショッピングセンターを開業したイオンは、これに先立つ2月には杭州市に浙江省における1号店を着工している。
私が赴任した11年6月には、杭州市内に1軒も無かった日系コンビニや回転寿司チェーンが今では相当数出店し活況を呈しているし、最近のJETROの調査によれば、ユニクロが8店、無印良品が2店進出している。
短期的な数字の動きに過度に惑わされることなく、中長期的な視野に立って、中国市場のリスクを事業の機会として冷静に見極め、それをコントロールしてリターンの獲得を狙っている企業が多くある。本県の企業も見習うべきところがあるのではないかと思う。


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