東南アジア駐在員報告



2021年12月 社会・時事
駐在員 : 福田 渉


 11月初旬、東南アジア各国では海外からの渡航制限の緩和が相次いで発表され、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者を対象に隔離措置なく入国を認める措置が広がっていた。
 タイでは、日本を含む63か国・地域を対象に受入開始を発表し、インドネシアでもバリ島での国際線受入れ再開に続いて、ワクチン接種完了者の施設隔離期間を5日から3日に短縮した。シンガポールでは、ワクチン接種完了者を対象に相互に隔離なしの渡航を可能にするワクチントラベルレーン(VTL)の運用を11月下旬までに韓国、インド、インドネシア、マレーシアなどを含む18か国まで拡大していた。
 しかし、南アフリカで新たな変異株「オミクロン」が発表されて、12月に入ると東南アジア諸国でも渡航者等からオミクロン株の感染者が相次いで確認された。入国制限が再び厳格化され、渡航緩和で高まっていた期待に冷や水を浴びせた。一部の国では観光客の受入れ禁止や渡航緩和の一時停止を発表した。シンガポールのVTLは、入国後の即時抗原検査(ART)を毎日課すなど、検査を厳格化して対応している。
 オミクロン株の感染力や既存ワクチンの有効性などについて検証が続いているが、ようやく端緒についたVTLなどの渡航の枠組みを維持して、制限緩和の動きを後戻りさせることなく、新しい変異株にも対応した渡航が再開されることを願っている。

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