韓国駐在員報告
2010年8月 経済
駐在員 ： 掛沢孝寿
夏休みシーズンを前に韓国の旅行業界が過去最高ともいえる好況に沸いている。金融危機以降、ウォン安や石油価格の高騰などを理由に押さえつけられていた旅行需要が、景気回復の認識が広まり、ここへ来て一気に高まったとみられる。海外旅行ツアーや国内のホテル予約はいずれもほぼ満員・満室状態で、旅行業界はうれしい悲鳴を上げている。
業界第1位のハナツアーでは、７・８月出発のツアー商品の予約者数が16日までに昨年同期比58.8％増となる20万2,000人に達した。うち7月出発が49.5％増の約12万1,000人、8月出発が75％増の約８万1,000人で、過去最高の2007年に匹敵する水準という。
業界第2位のモドゥツアーも、7月出発が約７万1,000人、8月出発が約５万人に迫る勢いで、予約数は合わせて12万人を上回っている。各社ともに海外旅行が好調で、欧州や東南アジア方面のツアーなどで売り切れが続出しており、業界内では、今年の海外旅行者が07年の1,330万人を超えるとの見方も出てきている。
日本政府観光局（ＪＮＴＯ）が7月27日発表したところによれば、今年上半期（１〜６月）に日本を訪れた外国人420万3,400人（推計値）のうち、韓国人は116万9,700人を占め、去年の上半期に比べて72%も増えている。国別では、韓国人が116万9700人で最も多く、去年より71.9%も増加している。
夏休みシーズン終了後の見通しも明るい。９月には秋夕（旧盆）の３連休があるが、今年の連休は９月21から23日まで（火〜木曜日）の平日になることから、連休前後の月・金曜日に休みを取れば、前後の週末と合わせて最長で９連休を取得できるとあり、例年以上に海外旅行への予約が殺到している。
ハナツアーの7月12日時点での旧盆連休期間の海外旅行予約人数は１万4,684人に上り、過去最高をとなった2007年の旧盆（約3,500 人）の４倍以上の予約人数を記録している。また、モドゥツアーも好調で、同日までの予約人数が9,400人と、同じく07年同期の４倍になっている。
業界の好況は各社の株価も押し上げており、年初には５万ウォン台だった大韓航空（ＫＡＬ）の株価は最近８万ウォン台にまで急上昇。ハナツアーも16日時点で５万6,300ウォンを記録し、５月末から19.5％上昇した。
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