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東南アジア駐在員報告2003年7月 経済 ASEAN自由貿易協定(FTA)の動きに注目、ASEANの人気が上昇中
FTAは、Free Trade Agreement「自由貿易協定」の略で、複数の国・地域が関税など貿易障壁を撤廃し、自由な貿易を実現する協定を意味する。FTAの意義、課題、経済効果などについては、次号以降の課題として、今回は最近のASEAN域内における動きについて報告する。 世界貿易機関(WTO)に通報され現在も発効中のFTAの数は、2002年6月末時点で143件にのぼり、その後も増え続けている。 FTAの空白地域といわれた東アジアでも、最近、シンガポール、タイなどが先導する形で活発化している。シンガポールはアジア諸国では初めて、この5月に、米国とのFTAに調印し、関税引き下げ・撤廃などを通じたモノやサービスの貿易、投資、知的所有権などの自由化、円滑化を進めるとしている。シンガポール通産省では年3億シンガポールドル(約200億円)の関税引き下げ効果があるとしている。 顕在化している効果として、タイではASEAN自由貿易地域(AFTA)による特恵関税(協定に基づく関税の引き下げ又は撤廃)の利用が着実に増加しているとの結果も出ている。 今後は、ASEAN自由貿易地域(AFTA)の進展とともに、日本、中国などを含む東アジア内のFTAの動きが注目される。
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