中国駐在員報告



2009年5月 経済
駐在員 : 若田部 孝


レンタルボックス・ビジネスの行方

 中国上海市等では、新規商品の販売をリサーチするためのアンテナショップが数多くある。
 日系企業が主体となって開設しているアンテナショップも、「ヤマトマーケティングギャラリー」、「サンプルプラザ・淘楽坊」、「サンプルスクエア」など有名なものがある。これらは、上海市においてマーケットリサーチの場所と手段を提供するビジネスモデルの例である。
 最近、上海で同様なビジネスモデルを街角で見かけたので紹介する。
 場所は、上海市内屈指の商業圏である徐家汇(シュージャーホイ)の最も人通りの多い一角である。デパート街の裏通りであり、若者が特に多く集まり、飲食店やさまざまは種類の店舗が集積している地域である。
 このような地域に、通りをはさんで「レンタルボックス屋」さんが、2軒向かい合って営業していた。このビジネスは、縦、横、奥行き各40センチ程度のボックスを、月額300元〜600元(日本円換算で約4,200円〜約8,400円)程度で、出展者にレンタルさせ、そのスペースに出展者の商品を展示し、商品のマーケットリサーチを行うものである。実際に、店内に入り200以上あるボックスの商品も見たが、化粧品、スキンケア、アクセサリー、食品などの小物で、高額でない商品が、所狭しと展示してある。このお店はチェーン展開し、上海市内に20軒以上あるそうだ。
 この店舗内は、商品を熱心に見る若い女性で混雑していた。確かに単価の安い商品が多いが、もしかしたらこの商品の中からメガヒット商品が出て、大成功を収める企業が出現するのではないかと感じられた。これまで、中国国内で数多く見たアンテナショップの中には、高級そうな商品のショップであるが、商品を見てくれるお客が少なくマーケットリサーチの目的を達せないものも数多くあった。その中で、奮闘している「レンタルボックス・ビジネス」の今後の展開は、注目を集めそうだ。

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