東南アジア駐在員報告
2017年2月 経済 駐在員 : 芦澤裕之
シンガポールでは日本と同様、高齢化の進展や糖尿病等の生活習慣病が問題となっており、健康食品や機能性食品に対するニーズが高まっている。
1月5日、高等技能専門校テマセクポリテクニークと、大手スーパーマーケットチェーンNTUCフェアプライスの関連会社NTUCフードフェアが、血糖値の上昇を抑える効果がある低GI食品の共同開発に関するMOU(覚書)を取り交わすセレモニーを開催した。
今回の披露に合わせて、フードコート向けの低GIメニュー7品と、スーパーマーケット向け低GIピザ6品目が共同開発された。セレモニー会場となったフードコートにおいて、すでに共同開発メニューの販売が開始され、本年4月からは、NTUCフェアプライスにおいて、ピザの販売が開始される。今後、メニューや商品の共同開発を進めるとともに、フェアプライスだけでなくNTUC傘下のフードコート、介護施設等での販売展開を進めて行く予定とのこと。
経済合理性を求めるシンガポールでは、大学、ポリテクニークなどの高等教育機関において、商品化を念頭においた産学連携が進んでいる。調査研究機関としてのポリテクニークの強みを活かして機能性食品の商品化を図るだけでなく、出口(販売方法)まで一貫して連携している点で、今回の取組は非常に優れていると感じた。
※ GI:グリセミックインデックスの略。食後血糖値の上昇度を示す指標
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