台湾駐在員報告
2016年5月 経済 駐在員 : 宮崎悌三
静岡空港と台湾を結ぶ定期路線を運航する台湾の航空会社チャイナエアラインと静岡県などが、母の日を家族で祝う訪日ツアーを企画した。チャーター便を利用するこのツアーは、昨年に引続き2回目となるが、静岡県を訪問するのは、今回が初めてである。ツアーが発売された数時間後には完売してしまうほどの人気だったが、母親孝行をしたいという人が多いことを示す証はほかにもある。
母の日のお祝いに関する調査を、台湾の就職サイト運営会社が4月に行った。会社勤めをする人の約9割は母の日を祝い、祝い方(複数回答)は、「家族で食事」78.2%、「プレゼントを贈る」69.3%、「ケーキを買う」32.7%で、予算は1人あたり平均約4,000元(約13,500円)で、プレゼントの品(複数回答)としては、「現金」44.2%、「化粧品・スキンケア用品」38.5%、「メッセージカード」26.0%、「台所用品」22.1%、「家電」20.8%が上位を占める結果となった。
母の日を家族で祝う訪日ツアーを発表する記者会見の席上、チャイナエアラインのキャビンアテンダントが選ぶ“母親に贈る日本商品ベストテン”が発表された。主なものとして、洗顔料、蒸気で目の疲れを取るアイマスク、ドライヤー、電気釜、液体絆創膏、電動歯ブラシ、ビタミン剤など、化粧品・スキンケア用品、家電がランクインしたが、これらは、母の日のプレゼントの調査結果と重なっている。
クレジット会社が、台湾で最近実施した旅行に関する調査項目のうち、“日本で必ず買いたいお土産は何か”という問いに対して、1位は薬、2位は化粧品・スキンケア用品、3位が家電と続き、化粧品・スキンケア用品は20代女性、家電は40代男性が、それぞれ購入意欲が特に高かった。
日本の観光庁が発表した2016年1月から3月期の訪日外国人動向調査(速報)によると、台湾人一人当たりの旅行支出は、134,108円で、買い物代は52,487円であった(訪日外国人では第4位)。購入品目(複数回答)では、医薬品・健康グッズ・トイレタリー(73.2%)、菓子類(71.5%)、その他食品・飲料・酒・タバコ(64.7%)が続く。
以上のように、異なる調査の結果から、台湾からの訪日客がどのようなものに対して購入意欲を持っているのかの傾向を捉え、商機としていければと思う。
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