台湾駐在員報告
2023年1月 政治 駐在員 : 宮崎 悌三
緊張する台湾海峡情勢を受け、蔡英文総統は、18歳以上の男性に課されている軍事訓練の期間を、現状の4か月から1年に延長することを発表した。ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、自衛力の強化を目的とするものである。
蔡英文総統の発表に対し、米在台協会(台湾における米国代表機関)は、台湾の自衛に対する責任と抑止力強化を歓迎している。
2022年8月の米国のペロシ下院議長の訪台以降、中国の戦闘機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に飛行することが今では常態化しており、大きなニュースとして取り上げられることもなくなって、台湾の市民は至って平穏な生活を送っている。
しかし、知人は、万が一の際には、どの国へ避難するかを真剣に考えているという。台湾有事の際には、日本は助けてくれるだろうかと、聞かれたことも1度や2度ではない。軍事的な紛争は誰も望んでいないけれども、陸路移動ができない台湾では空港や港が封鎖されてしまうと身動きが取れなくなることが、人々の不安をより一層大きくし、万一の事態を想定させている。
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