北米駐在員報告
2001年8月 経済 駐在員 : 若梅真樹
米政府は、今年から10年間で総額1兆3,500億ドルの減税法案が成立したことを受け、景気減速に配慮し、その大型減税の第一弾となる所得税の戻し減税を開始した。家族構成に応じて一世帯当り300〜600ドルが還付されるもので、総額は約400億ドル規模となる。
内国歳入庁(IRS)は、昨年度に所得税を納めた全世帯に、計9,200万枚の小切手を郵送する。小切手方式は事務コストがかさむものの、米国民が減税を実感できることから個人消費の下支えが期待されている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、年初来からの6次にわたる利下げによる金融緩和に、減税による財政刺激策を追加することにより、年内は時間の経過とともに経済活動に一段と影響を及ぼすとの米景気の回復シナリオを描いているが、減税が期待通りの効果を上げないと、ブッシュ政権が厳しい立場に追い込まれる事態も予想されている。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|