台湾駐在員報告



2020年3月 社会・時事
駐在員 : 内藤 晴仁


市民の信仰の拠り所として280年以上の歴史を有する龍山寺。観音様の呼び名で親しまれる「聖観音菩薩」や航海の守護神「媽祖」、三国志で有名な「関聖帝君」、学問の神様「文昌帝君」等をお祀りする龍山寺はパワースポットとして名高い。参拝者は線香を手に各神様を順番に巡り、お祈りを捧げるのが礼法とされており、龍山寺の境内は常に線香の白い煙と香りに包まれている。龍山寺独特の神秘的な雰囲気を感じさせるもので、とても味わい深い。
しかしながら、龍山寺は大気汚染防止及び参拝者の健康保護等を理由に、境内での線香配布を行わないこと、線香の持込を禁止することを決定した。
台北市内で「関聖帝君」を祀る行天宮は既に線香配布をやめており、今回の龍山寺の決定も時代の趨勢を踏まえた流れであると思われる。
他方、150年以上の歴史を有する南部の北港武徳宮は「寺廟が発するPM2.5の排出量は全体の0.35%である。環境保護も大切だが、信仰や伝統を重視する姿勢は今後も変わらない」と述べ、引き続き線香を使用する方針を明らかにした。
伝統と環境保護に揺れる参拝方式、天上の神様に教えを伺ってみたい。

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