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北米駐在員報告2002年10月 経済 輸入品の増加に苦しむ米家具製造業界
原因は、中国やカナダを中心とする輸入品の流入だ。米家具輸入は2002年第2四半期時点で、99年に比べて71%も増加しており、米市場の40%以上を輸入品が占めている。 特にテーブルや寝室の家具、椅子など木製や金属製家具の輸入は過去3年間に約80%も増加しており、逆に国内メーカーの出荷は11%減少している。
例えば、家具製造大手のファニチャー・プランズ・インターナショナルは、2001年に純利益が45%も減少、バージニアの4工場を閉鎖し、アジアからの輸入に切り替えた後、さらに最近もノース・カロライナ工場も閉鎖、約425人を削減したばかりだ。 業界全体では、79−99年に失業した50万人のうち38%がまだ転職できず、再就職した人も約5人に1人は給料が30%以上減少している。
成功の背景には、労働者の月給が約100ドルという人件費の安さに引かれ外国による工場投資の急増がある。その結果、地元の競争が強まり、市場拡大を狙って米国がその標的となったという構造である。過去の玩具、工作機械、パソコン業界と同じ格好だ。 インターネットの普及も中国の起業家にとっては強い味方で、零細企業でもコンピューターを使って外国に商品を販売することが可能となっている。 |
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