中国駐在員報告



2010年4月 経済
駐在員 : 野村 芳一


    上海市のデータによると、2010年に上海の大学・高等専門学校を卒業予定の学生は、前年比5.7%増の16万8,000人となる見通しという。企業の求人数は、製造業を中心に増加傾向にあるが、昨年、一昨年の卒業生で進路未定の求職者も加わることから、就職戦線は引き続き厳しいと予想されている。
     ところが、GM、フォルクスワーゲンなどが進出している上海市北西部の嘉定区では、区内の企業で労働力不足が深刻化しているおり、25社が参加して陜西省で大規模求人活動を行う予定という。
     これは、製造拠点が沿海部から内陸部へ移転したことにより、内陸部に帰郷した出稼ぎ労働者が地元で就職先を見つけやすくなっていることが背景にある。
     工場でのワーカーが大幅に不足する一方、多くの大卒者が、賃金水準を落としてまで就職を急がず、より待遇のよい仕事を探し続けるため、高学歴者の就職難が深刻化しているのだ。中国における大学進学率はすでに23.3%(2008年)に達しており、日本同様、大学教育はエリート教育からマス教育の段階に入っていることから、構造的な問題だと言えそうだ。

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