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中国駐在員報告
2012年8月 行政 駐在員 : 井口 真彦
浙江省の省都杭州市は、岩手県より少し広い面積に870万人の人口を擁する大都市である。その大都市を目指して杭州市外の戸籍を持つ人(外地人)が流入しており、その流入人口は約400万人と人口の半数近くに達する。
杭州市では、増えすぎたこの流入人口対策として、「杭州市流動人口服務管理条例」を6月に施行した。
杭州市に暮らす外地人が杭州市のサービスを受けるには、「居留証」を得る必要がある。居留証には「浙江省臨時居留証」と「浙江省居留証」の2種類があり、前者は16歳以上で30日以上滞在する場合、身分証だけで取得でき、有効期限は6か月から3年。後者は、3年以上の居住、特定の住所、仕事、高校卒業以上の学歴、社会保険の3年以上の支払い実績、一人っ子政策に違反していないこと、犯罪歴がないことが取得条件とされている。
現地の情報誌によると、これらの条件のうち、「高卒以上の学歴」が物議をかもしている。高卒以上の学歴を持たないと居留証が取得できず、一部の社会サービスを受けられない。建設現場などで働く外地人にはこのような人が多く、外地人への差別だとの意見が多いとのことである。
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