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中国駐在員報告

2013年9月 社会・時事
駐在員 : 井口真彦


     「群衆路線」という一見地味な言葉が、6月中旬頃から人民日報紙上に登場し、最近は毎日のように各紙上を賑わしている。
     元々、毛沢東思想の一つであり、農村大衆の意見に政治的指針を求め、それを理解させて共に行動する、というような意味合いだとされる。
     昨年の浙江省との友好提携30周年を経て、各分野における実質的な交流を進める中で、県省間の人の往来の仲立ちをする際に、省政府担当者から、ここしばらくは人的往来が難しい場合もあるとの話があった。
     静岡県と浙江省は、尖閣問題で日中間が政治的に最も難しい時期にも、お互いの誠意と熱意により影響を最小限に留めることができたと認識していただけに、これが原因であれば残念だと思ったのだが、実は違っていた。
     習近平国家主席が、求心力を高めるため、腐敗撲滅、節約倹約など国民受けの良いキャンペーンを展開していることは日本でも広く報道されているが、この「群衆路線」(日本ではしばしば「大衆路線」と訳されている)もその一環のようである。
     7月には、共産党中央政治局常務委員が相次いで中国各地を訪問した。浙江省には序列第5位の劉雲山・中国共産党中央書記処常務書記が訪れたが、この目的こそ、党の群衆路線教育実践活動の指導業務であった。
     この教育実践活動は徹底されたものであり、浙江省政府担当者の話によると、党書記から一般職員に至るまで、全党員、全公務員は必ずこの教育を受けることになっており、今年7月から9月までの3か月間に集中的に教育活動が行われるとのこと。通常業務を一旦置いて、研修を受けることも多いため、部門によっては、外国との人的往来などが難しい場合もあるというのは、まさにこのことによるとのことであった。
     8月末の本稿執筆時点は、薄熙来裁判の5日間にわたる公判が終わり、その意外な展開に興奮さめやらぬといったところである。薄熙来失脚の本当の理由が、彼の重慶市書記時代の毛沢東の文革を髣髴とさせる大衆動員の政治キャンペーンや、暴力団・腐敗官僚撲滅キャンペーンを通じた大衆の支持を背景に権力を把握しようとする野心に党中央が恐れをなした、というような説を見るにつけ、その薄熙来を徹底的に叩いて国民の間に支持を広げようとする習近平政権が行っているキャンペーンと、重慶市書記時代の薄熙来とが重なって見えてしまう気がする。


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