韓国駐在員報告
2014年9月 社会・時事 駐在員 : 野原 靖
約400年前、ソウルを出発した朝鮮通信使の行列は、釜山から船で日本に渡り、対馬、下関、大阪、京都、江戸(東京)を経て、朝鮮と日本を往復した。
両国の友好を深める文化使節団の役割を担っていた朝鮮通信使。その平和的交流の精神を引き継いでいくため、毎年開かれている朝鮮通信使ゆかりの地の行事が今年も実施される。
釜山文化財団は、8月2日の「対馬厳原港まつり」への参加を皮切りに、朝鮮通信使行列と縁のある都市(対馬・下関・福岡・川越の4都市)での行事が11月まで開かれると発表した。特に、2002年から参加してきた「対馬厳原港まつり」には、昨年は対馬の仏像盗難事件の影響で参加できなかったが、今年は再び参加することになった。
釜山文化財団は、対馬厳原港まつりに正使と副使、吹打隊・芸術団を派遣。同まつりの開催50周年にあたり、平和使節団としての朝鮮通信使の意味を振り返る。財団のパク・スンファン国際文化交流チーム長は、「今年の対馬厳原港まつりでは例年より大規模の朝鮮通信使行列を再現する」と語った。
続いて、8月23〜24日の「しものせき馬関まつり」には釜山地域の芸術団を派遣し、朝鮮通信使行列を再現。釜山と朝鮮通信使をPRするブースも設置した。釜山文化財団側は馬関まつりの朝鮮通信使行列に参加する一般市民30人を公募した。馬関まつりには、全国13の広域市・道の文化財団の協議体「市・道文化財団代表者会議」が参加、下関文化振興財団など韓日両国の文化財団間の業務協力のため座談会も開く。さらに、朝鮮通信使のユネスコ世界記憶遺産への韓日共同登録のため、両国で構成された朝鮮通信使学術委員会の第1回韓日学術委員会も開催される。
また、10月11〜13日に開かれる「アジア太平洋フェスティバル福岡2014」には、朝鮮通信使をPRする歴史館広報ブースを設置。11月9日に埼玉県川越市で開かれる「復活!唐人揃い−朝鮮通信使−多文化共生・国際交流パレードin川越」には、朝鮮通信使行列に参加する芸術団が派遣される予定である。
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