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中国駐在員報告
2012年6月 行政 駐在員 : 井口真彦
浙江日報によると、杭州市は5月29日、昨年6月に世界文化景観遺産に登録された西湖のロゴマークを公表した。昨年11月に杭州市がデザインを募集し、約1か月で国内外から集まった1,500を超える作品から専門家が選出し、サイトでの投票も踏まえて決定したものである。
青と白を基調とし、赤を配した中国らしい水墨画風のデザインで、西湖を象徴する湖、月、潭(淵)、印の4つの要素が含まれている。西湖の文化景観の長い歴史を表すため、水墨画、中国印を理念としたとのことである。
西湖には、南宋時代から歴史のある「西湖十景」という代表的な景色が定められており、中でも有名なのが「三潭印月(さんたんいんげつ)」。これは、小瀛洲(しょうえいす)とも言い、湖心亭、阮公と合わせて西湖三島と呼ばれている島で、「三潭印月」は、三島の中でも面積が最も大きく、西湖最大の景勝地と言える。
湖には、800年前に造られた高さ2mの3つの石塔があり、「三潭印月」の主景となっている。球形の塔身は中が空で、周りに五つの穴が等間隔に並び、明月の夜に大きな蝋燭を入れる。「天上は明月ひとつ、水中は影三つ」が「三潭印月」の名前の由来である。
ロゴマークは、この「三潭印月」の石塔をイメージしたもので、なかなか洒落たものに思えるが、周囲の中国人に言わせると、知らない人が西湖をイメージできるかどうか疑問だとのことである。
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