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東南アジア駐在員報告
1999年11月 経済 駐在員 : 篠原 清志
・シンガポール、成長の限界とその対策
シンガポールは小さいことを最大限に生かして発展してきたが、その人的な資源の少なさが、今後の成長の大きな壁として明らかになってきた。
台湾大震災のあと、台湾の電子産業の一部がシンガポールに移ってくるのではと期待が高まったが、台湾企業の多くは、シンガポールには優秀な人材が不足しており、投資先として考慮の対象外としていると19日地元紙が報道。シンガポール人にはショックな記事となった。
この人材不足については、最近の出生率の低下(98年の出生率は1.5)などからも話題となっており、ゴー首相が警鐘を鳴らし、10月13日の国会で高学歴の女性への結婚、出産奨励の演説なども行っているが、シンガポールの女性からは無視に近い反応しか起きていない。若者もチャンスがあれば米国など外国で活躍する希望を持っている者も多く、人材の空洞化は深刻である。
考えられる対策は、外国から 優秀な人材に来てもらうことで、政府は、そのための規制を緩和している。移民でできた国の発展は、移民に頼るしかないようだ。
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