台湾駐在員報告
2023年6月 社会・時事 駐在員 : 市川 美奈子
2020年からのコロナ禍は、台湾の食事情に大きな変化をもたらした。それが「フードデリバリーサービス」の躍進である。
台湾経済部の統計によると、コロナ禍が世界を襲った2020年の上半期、台湾におけるフードデリバリーサービスは、前年比293.8%という驚異的な成長を遂げている。フードデリバリーサービスはその後着実に台湾に浸透し、2012年にサービスを開始した「foodpanda」と2016年にサービスを開始した「Uber Eats」が現在の二大プラットフォームとなっている。最新の調査によると、フードデリバリーサービス利用者における前者の利用率は78%で、後者の利用率は61%。業界3位の「Foodomo」の利用率はわずか6.5%であり、実質、「foodpanda」と「Uber Eats」の一騎打ち状態である。食事時間帯に外を歩いていると、「foodpanda」と「Uber Eats」の配達バイクがひっきりなしに行き交う光景を見ることができる。
フードデリバリーサービスの躍進に伴い、「クラウドキッチン」(客席・イートインスペースを設けずにフードデリバリーをメインに食事を提供する店舗)も見かけるようになった。事務所近くにあるクラウドキッチンには、宅配ボックスのようなロッカーの前に、何人もの配達員が待機している姿をよく見かける。時代の流れを感じる光景である。
【図】フードデリバリー配達バイク
【図】クラウドキッチンの店舗
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|