韓国駐在員報告
2016年2月 社会・時事 駐在員 : 松村昭宏
中国の電子商取引(EC)最大手、アリババ(阿里巴巴)グループは、グループ内のインターネット旅行会社であるアリトリップ(阿里旅行)が韓国旅行業界最大手のハナツアーと提携する形態で中国人客に韓国の観光商品を販売する。ハナツアーは2016年1月26日、ソウルで記者懇談会を開き、アリトリップと戦略的提携に向けた業務協定を結んだと発表した。これによりハナツアーは2016年3月までにアリトリップのサイトで商品の販売を開始する。
躍進著しいアリトリップは、オンラインセールが集中する2015年11月11日の「光棍節(こうこんせつ)」に1日で80万種類の海外旅行商品を販売し、15億元(約272億円)を売り上げた。アリトリップの段冬東副社長は「アリババ、淘宝(タオバオ)、決済サービスの支付宝(アリペイ)を利用する4億人の中国人がアリトリップの潜在的顧客だ。これまでは中国の旅行会社が提供する低価格のツアーが主体だったが、韓国の旅行会社で初めてハナツアーがアリトリップでの販売を開始し、しっかりした韓国旅行商品を提供するものと確信している」と述べている。段副社長は中国人客の旅行先が韓国から日本にシフトしたことについて、「日本が中国市場を徹底分析した結果が効果に現われているのではないか。アリババの顧客情報を活用し、オーダーメード型の旅行商品を推薦するビッグデータマーケティングなどでハナツアーを支援していく」と説明した。
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