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ヨーロッパ駐在員報告
2000年10月 社会・時事 駐在員 : 森貴志
コソボに対するドイツ軍事訓練
大統領選挙の結果をめぐりユーゴスラビア情勢が混迷を深める中、同国コソボ自治州に派遣されている国連平和履行部隊(KFOR)に参加するドイツ連邦軍は、西部のムンスター郊外にあるドイツ最大規模の軍事演習場2カ所を公開した。
戦車や装甲車などが演習場内を実戦さながらに走り、ユーゴスラビア国コソボ自治州への派遣を約1カ月後に控えた兵士が最終訓練に励んでいる。
兵士は、ムンスタージュート、ベルゲン両施設で現地の実態に合わせ訓練を約2カ月間受け、アルバニア系住民とセルビア人が反目するコソボや、ボスニア・ヘルツェゴビナに交代要員として半年間の任務に就くことになる。
兵士らはコソボでのデモを想定し、住民と対峙(たいじ)する本番さながらの訓練を繰り返し、それを教官が兵士の動きに厳しい目を光らせている。
コソボ地区内での地雷原が再現された区域では、照明器具のスイッチを入れると爆発音を発する地雷の模型が巧妙に仕掛けられている等の工夫がされており、兵士はこれらを体験し、任務の危険性を認識するとともに、駐留時の注意点を最終確認している。
ドイツでは徴兵制があり、また海外平和協力として軍を派遣しており、国家に対する意識をいやがおうでも認識せざるをえない欧州状況を見ると、「軍備」は論外としても、日本人が「日本」という国家意識を持っているのか改めて考えさせられる。
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