台湾駐在員報告
2016年5月 経済 駐在員 : 内藤晴仁
日本では中国人旅行者による「爆買い」が有名であるが、日本の観光庁の統計によると、2016年1月から3月期の台湾人1人当たりの買物代は52,487円で、中国人の151,293円には及ばないが、私の懐具合から見れば台湾人の購入額も相当な額である。なお、購入したお土産等は、帰国時に空港で受託手荷物として送られることが多いが、日本滞在中はお土産を荷物として携行するため、団体バスを利用しない個人旅行者にとって悩みの種であった。
このたび、日本の大手コンビニエンスストア会社から、海外からの旅行者が日本で購入したお土産等を、日本のコンビニから海外の同系列のコンビニへ送り、帰国後に受け取りができるサービスを年内に開始する旨発表があった。この会社が日本国内に展開する約11,000店舗で時間や場所を気にせずにお土産を送付できるほか、台湾においても約3,000店舗ある同系列のコンビニの中から受取先を選択し、利用者が指定する店舗で24時間受け取ることができ、台湾の旅行者にとって、日本滞在中のお土産の携行について頭を悩ます心配がなくなりそうである。このサービスの詳細や料金については未確定の部分があるものの、今後の展開が大いに期待されるところである。
観光庁の統計によると、近年、日本を訪問する台湾人の個人旅行客の割合は全体の約6割を占めており、既に団体旅行客の割合を上回っている。主に都心部の免税店等でお土産を購入することが多い団体ツアー客と異なり、個人旅行客の行動範囲は時には地方まで及び、また、お土産の購入場所や種類等の自由度も高く、このサービスの主要な利用者になる要件を備えていると思われる。台湾からの個人旅行客が増えている本県においても、県産品をはじめとしたお土産等購入を促進するため、このサービスの活用を大いにPRしてみてはどうか。
県産品の海外向け販路展開としては、海外で直接商品を販売する方法のほか、ECサイト(オンラインショッピング等)で商品を販売する方法もあるが、外国人旅行者に対し商品を販売する方法も一つである。中でも、地元を訪れる外国人旅行者に対し商品を販売する方法は販売リスクを低く抑えられる海外向け販路展開方法であり、観光と商工が連携した観光客への工場見学・県産品販売等は、既に実施されている事例もある。
新しいサービスの活用も検討しながら、県産品の海外展開が更に拡大していくよう、知恵を絞っていきたい。
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