東南アジア駐在員報告
2020年1月 社会・時事 駐在員 : 竹田 敏彦
12月初旬、OECD(経済協力開発機構)が2018年に実施した学習到達度調査の結果を発表した。シンガポールは読解力、数学的応用力、科学的応用力の3点で世界2位(日本はそれぞれ15位、6位、5位)と前回の1位からは陥落したものの世界トップクラスの教育レベルを維持している。
シンガポールには同国の高い教育水準を語るうえで切り離せないテスト、PSLE(初等教育終了試験)がある。同国の小学6年生が受けるこの試験の結果は、子どもたちにとって中学校以降の進路だけでなく、人生をも決定すると言われている。この試験のため、小学校入学前から塾に通う子どもたちはもちろん、教育費用を負担し、テスト前には仕事を休んで子どもをサポートする親たちの負担も大きい。
現地では2021年からの同テストの制度変更が大きな話題となっている。政府は行き過ぎたテスト偏重の文化を改め、生徒一人一人の成長を評価する制度に変更するとのことだ。
今回の制度変更が同国の将来の人材輩出にどのような影響を与えるか期待しながらウォッチしていく。
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