中国駐在員報告
2010年2月 経済
駐在員 : 若田部 孝
上海万博を控えた上海市内のインフラの整備状況
- 上海万博等に備え、上海市内では、地下鉄、高速道路等のインフラの大規模な拡張が行われており、2007年3月に赴任して以来、見続けてきた市内各所の工事が徐々に完成に近づいてきたことが実感できる。
それらの中で、特に大規模な上海虹橋総合交通ターミナルの整備状況と上海市北部の崇明島へかかる橋梁工事の状況は、次のとおりである。
1 上海虹橋総合交通ターミナルの整備状況
上海虹橋総合交通ターミナルは、世界最大の交通ターミナルとして整備中である。その規模は、総建築面積が150万u以上(地上部分100万u、地下部分50万u)であり、総敷地面積は1.3ku以上である。その交通ターミナルに、拡張を続ける上海虹橋空港や上海市内の地下鉄網、さらに整備中の北京・上海高速鉄道等が連結される。
なお、その連結される虹橋空港は、拡張工事により、新しい虹橋空港西ターミナルが、本年3月16日から供用開始となる。この施設は、2007年4月に着工し、本館部は地上3階、地下2階で、延べ面積は36万4千uで、旅客受け入れ能力は年間2,100万人となっている。
しかし、交通ターミナル本体については、2010年5月に開幕する上海万博までに完成する予定だという。
- ※北京・上海高速鉄道(新幹線)の完成には、数年を要する。
2 上海市の浦東新区と崇明島にかかる大橋が完成
2009年10月31日に、総延長25.5km(その内、トンネル部分が全長8.95km)の上海長江トンネル橋が開通し、崇明島への交通が飛躍的に便利になった。そのため、これまで年間100万人超だった観光客が、橋梁開通後の1月間余りで、これまでの年間の観光客数に匹敵したという。現在、開通から3カ月が経過したが、日曜日等の休日には、崇明島へ行ってみたいと考える大勢の行楽客で、橋梁等周辺は大渋滞だそうだ。
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