台湾駐在員報告
2021年9月 経済 駐在員 : 宮崎 悌三
台湾の行政院主計総処(統計局に相当)が、2020年の家計収支調査を発表した。平均貯蓄額は、2019年と比較して1世帯当たり14.8%増え、26万5千元(約106万円)と過去最大、一人当たりでも18.7%増の9万1千元(約36万4千円)となり、この15年間で最大となった。主計総処の分析によれば、感染拡大の影響を受け、海外旅行などのレジャー関連支出の減少や公共交通機関の利用を減らしたことによる支出減などが要因と見ている。
また、同じ統計で、全世帯の所得総額は、前年比2.6%増の11兆9,758億元(約47兆9千億円)で、1世帯当たりの可処分所得の平均額は1.9%増の108万元(約432万円)、一人当たりの平均額では5.4%増の37万元(約148万円)だった。
これを所得の上位20%の世帯と下位20%の世帯で比較した場合、6.13倍の差が認められ、2012年と同じ水準に戻ってしまった。主計総処によると、新型コロナ禍の影響を受けた業種で働く人たちの中には、無給休暇を取らざるを得なくなった人や、減給となった人がいる可能性があると指摘している。
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