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中国駐在員報告

2009年3月 社会・時事
駐在員 : 若田部 孝


緩和された上海市の戸籍規則
 〜都市部における戸籍なしの常住者には光明が〜


 上海市政府は、2月23日、市の居住証を取得してから7年を経過した地方出身者に、都市戸籍の申請を認めることなどを盛り込んだ「居住証保有者の戸籍申請試行弁法」を公表し、同日付で施行した。
 その具体的な申請条件は、次のとおりである。
 1 居住証保有暦が7年
 2 社会保険加入歴が7年
 3 その期間において所得税を納税
 4 国が認定する「中級専門技術職」以上の資格保有者
 5 「一人っ子政策」の違反歴や犯罪歴がない。
 これまでの戸籍取得の申請条件は、居住歴が15年かつ、配偶者が上海戸籍保有者と厳しかったが、今回の申請条件の緩和は、優秀な人材を確保することが目的のようだ。
 なお、地元紙の報道では、居住証の発行件数は、制度が始まった2002年に7,500人、2007年には54,300人に増加しているが、7年の要件を満たす者は、約3,000人であり、他の要件を加えると、さらに少なくなるという。
 事実、上海市の常住人口は、2008年に約1,900万人で、その中で戸籍を有する常住人口は、約1,400万人であり、残りの約500万人が戸籍なしの人口である。今回の規制緩和の効果は、戸籍なしの常住者全てに波及するわけではない。
また、農村部から都市部へ出稼ぎにくる「農民工」の多くは、流動人口であるため統計が取り難く、実数を把握できないが、上海市をはじめ、中国沿岸部の主要都市を中心に多数存在する。これまで、農民工の子女の教育状況はあまり良くなく、特に都市部に家族で来た場合の、農民工の子女の教育内容が、戸籍取得者の子女に比較し、質・量の両面で劣っていることが指摘されていた。
 なお、人民中国インターネット版では、2009年1月8日付の記事で、「2008年秋季の新学期から、中国は、農村部に次ぎ、都市部の義務教育の学費と雑費を、全面的に免除した。国の義務教育は1986年から始まったが、これまで財政的な裏付けがなかったため、今回の措置で名実とともに義務教育となる。2,000万人ともいわれる農民工の子女が、教育を受けることが可能となる。」と報じた。
 中国政府は、国際的な金融危機の中で、各種の緊急な経済政策を打ち出すとともに、国内の種々の課題にも対応を迫られている。このような状況の中、これまでの社会制度が急速に変化していくので、今後とも視野を広くしながら中国社会に注目していきたい。
注1 上海市内でも、都市戸籍と農村戸籍がある。
注2 「戸籍なしの常住人口」は、定住化した他地域戸籍保有者である。
注3 「農民工」と呼ばれている者は、「戸籍なしの常住人口」に含まれる場合と「流動人口」に含まれる場合がある。
注4 農民工の子女教育では、農村部に残された「留守児童」と親と一緒に都市部に来ている「流動児童」に大別され、両者の教育の向上が課題となっている。


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