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ヨーロッパ駐在員報告
2002年6月 社会・時事 駐在員 : 山口 幸博
シラク大統領、国歌やじに激怒
5月11日に行われたサッカーのフランスカップの決勝戦ロリアン対コルシカ・バスチア戦で、コルシカのファンが国歌「マルセイエーズ」にブーンイングを行ったことに対し、観戦中のシラク大統領が激怒して退席し、試合開始が中断された。しかし、シモネ、フランス・サッカー連盟委員長が観客に向けて謝罪したことで、大統領は席に戻り、20分遅れて試合は開始された。
大統領は、「私は共和国の価値を傷つけることは許容できないし、受け入れることもできない。」と毅然とした態度を示した。
13日付の「ファイナンシャル・タイムズ」は、この時のシラク大統領のシモネ委員長への「一体これはどういうことだ!」といった表情の写真入りで大きく報じた。しかし、記事は「大統領の眼は、来月の国民議会議員選挙に向けてナショナリストの投票者にあり。」といった論調で、移民問題などで揺れる国内事情を反映した法と秩序、国歌の威信に選挙戦での焦点を当てようとする政治家としての一流の行為とフランスでは解釈された、と報じていた。
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