東南アジア駐在員報告
2007年5月 経済
駐在員 : 獅倉 浩
シンガポール・・・インドネシアの砂輸出禁止の影響
2007年2月7日、インドネシア政府がシンガポール向けの砂の輸出禁止
に踏み切って以来、シンガポール建設市場における砂の実勢価格が1トン当たり16シンガポールドルから60シンガポールドル(以下S$)に高騰した。また、インドネシア政府は輸出禁止措置を否定しているが、実質インドネシアからシンガポールへの花崗岩(砂利)の輸出も止まっており、同市場における花崗岩(砂利)の実勢価格は1トン当たりS$19からS$70に高騰した。両材料の値上げに伴いコンクリート価格も1㎥当たりS$80からS$188に高騰し、建築業界で大きな問題になっている。
- シンガポール政府はこの事態に対応すべく、既に入札済みの公共工事については、損失額の75%を補償する確約をしているものの、民間工事は補償の対象外で、シンガポールに進出している日系の建設会社23社の1社あたりの損失額は、コンクリート価格の上昇による影響で平均S$2,000万になるものと見込まれている。
これを受けて、シンガポール日本商工会議所と日本貿易振興機構シンガポールセンターの両建設部会は4月3日、建築・建設業管理局に対してコンクリート価格値上がり分の全額補償や、民間開発業者への指導などを求める要望書を提出した。また、日本大使も国家開発相に、建設業界が直面している状況を理解し、事態を改善して欲しい旨の書簡を送った。
しかし、シンガポール政府は依然として、公共工事に関してのみ砂、砂利の価格上昇の75%まで負担するという対応をとっており、民間工事には基本的に介入しないという態度を貫いている。
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