中国駐在員報告
2016年8月 経済 駐在員 : 石井亘
中国の港湾は、1978年の経済開放政策の開始以降、急速に発展し、世界各国との貿易に欠かせない存在となっている。浙江省の寧波港は古くから栄えた港であるが、中国でも有数の深水港である利点を活かし、開発が進んでいる。2015年9月、寧波港及び隣接する舟山(しゅうざん)港を総合的に開発していくべく、双方の運営会社が合併し「寧波舟山港」となった。2015年の貨物取扱量は8.89億トンで世界第1位、標準コンテナ取扱量は2,063万TEUで世界第4位の巨大港である。
7月11日、12日、寧波市において「国際港湾都市協力フォーラム」が開催され、県からは清水港管理局、港湾企画課が参加した。フォーラムではフィンランドのヘルシンキ、イタリアのベニス、ドイツのハンブルグなどの港湾都市が、環境保護、港湾用地の確保等の課題や、港を活かした都市計画構想について発表を行った。港湾施設の規模や附帯観光施設の有無など条件はそれぞれ異なっているが、環境保護に配慮し、地域住民が港によるメリットを共有できる都市計画を目標としている点では、全ての都市が一致していた。寧波舟山港の課題は、現在は車両に依存している貨物の二次運輸手段について、今後は鉄道を建設し、輸送効率を高めることにある。
寧波市にとって寧波舟山港の発展は重点施策であり、ハード面の整備はもとより、貿易投資の促進などの関連事項についても、積極的に進めていく考えである。当事務所では、県にとって有益な情報を得られるよう、国際、貿易投資などの寧波市関係部門との関係を強化していく。
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