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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

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東南アジア駐在員報告

2005年5月 経済
駐在員 : 橋本 勝弘


       インド南方の島国スリランカ(北海道の約0.8倍の大きさで、旧国名はセイロン)には、約80社の日系企業が進出し、その内の70%にあたる56社がスリランカ日本商工会(会頭 河野FDKランカ社長)に加盟している。
       従業員規模で見ると、最大手は1990年創業のFDKランカ(湖西市に工場をもつ//FDK株式会社の現地法人)で、3千人を超える従業員を雇用している。次いでノリタケ・ランカで約900人である。その他、日本からの政府開発援助も積極的に行われていることから商社、建設業の進出も目立っている。
       在留邦人数は約800人でその内、コロンボ市内に約300人が居住している。また、約200人がJICA(独立行政法人//国際協力機構)の関係者である。
       スリランカ経済は、ここ3年間の実質経済成長率が4%(2002年)、5.9%(2003年)、5.2%(2004年)とサービス部門を中心に好調に推移していたが、昨年12月26日に発生したスマトラ沖地震に伴う津波被害の影響が懸念された。しかし、特に影響の大きかった分野は漁業と観光で、幸いにもこれら産業がGDPに占める割合は数パーセントと小さいことから、深刻な経済危機に至るとまでは考えられていない。なお、懸念材料としては税制が頻繁に変わることと、シンハラ・タミル民族問題(*注)があげられる。
       スリランカで成功する製造業のモデルケースを最大手のFDKランカに見ることができる。FDKランカの製品は、三部門(コンピュータ、光、ビデオ)に集約され、特に、VTR(video tape recorder)用電子磁気装置(ロータリートランスファー)は世界シェアの50数%を占めている。全体の生産台数がDVD(digital versatile disc)レコーダーに押されて減少気味であるが、シェアを上げているため、当地での生産台数は落ちていないとのことである。製品はヨーロッパ、アメリカ、東南アジアなど世界各地に輸出されている。
       スリランカでの「ものづくり」の優位性として、
      @教育水準が高く、技能取得が早い。(大学までの教育費が国家負担のた め、就学率が高いためと思われる。)
      A日本語と同じ語源(バリーサンスクリット語)であるため、日本語に対する抵抗が少ない。なお、FDKランカでは、日本語教室を16クラス開講して、語学研修を奨励して いる。
      B価格競争力で中国より優位にある。(ジェトロが2004年11月現在で まとめた「ア ジア主要都市・地域の投資関連コスト比較」によると、ワ ーカーの賃金はスリランカ  59米ドル〜93米ドル/月に対して、大連 で96米ドル〜129米ドル/月となって いる。)
       河野社長の話では、「とかく賃金が安いと生産性を疎かにしがちであるが、ものづくりはどこの国で行っても生産性を考えないとだめだ。」と述べている。FDKランカでは、昨年10月から「トヨタ生産革新運動」を取り入れ、生産効率の改善に取り組んでいる。工場スペースに相当余裕が出来たので、このスペースを活用して、日本の中小企業(大手から電子部品製造の下請けをしている中小企業)からの孫受け受注(国内に中小企業の役割が残るように)をしたいと意欲を示している。
       アジアの伝統的友好国スリランカ(光り輝く島という意味)で「ものづくり静岡」を見ることができた。
        *注 シンハラ・タミル民族問題・・・スリランカの人口の70%を占める先住民のシンハラ人(仏教徒)と、少数民族のタミル人(ヒンズー教)の分離独立運動による対立抗争。


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