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北米駐在員報告
2000年3月 経済 駐在員 : 若梅 真樹
米景気拡大が最長記録を更新
米国経済は、この2月で景気拡大期間が107ヶ月(8年11ヶ月)を経過し、現行統計でさかのぼれる1854年以降で過去最長を記録した。今回の景気拡大は、1991年4月からスタートしたもので、アジア経済危機の中でも世界経済を牽引する形で力強い拡大ペースを維持してきたものである。
しかし、最近の原油相場高騰などインフレリスクの高まる方向にあることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は、金融政策の最高決定機関である連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、フェデラル・ファンド金利の誘導目標を0.25%引き上げて年5.75%に設定すると発表し、公定歩合も同率引き上げられ年5.25%となった。
さらに、FRBは、2000年の米国内総生産(GDP)成長率を3.5〜3.75%と予測し、成長が目に見えて鈍化する証拠はないとしている。しかし、米経済が息の長い成長を続けるため、加熱気味の景気を幾分冷まし、巡航速度での景気拡大に軟着陸させることができるかが課題で、今後も段階的な引き締めが続くものと予想されている。
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