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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 北米駐在員報告

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北米駐在員報告

2002年8月 経済
駐在員 : 松下 育蔵


    ・日米経済についての米国市場関係者の見方
    (日本経済について)
    1 米国機関投資家の反応
    最近2か月間は日本株を売り越している。7月末以降のペイオフを巡る報道の結果、強いネガティブな反応を示している。外国紙を通じた報道で形成されるイメージとしては、地方金融機関と親しい議員団が圧力をかけ、この圧力に政府が屈し、改革を先送りしたというもの。ペイオフの実施は、改革メニューの中でも良く知られており、各種改革が後退する中でも、総理、政府が一致して断行すると明言していたものであっただけに、(日本に関心のある)NYのマーケット関係者の失望は著しい。
    更に、今回の決定では延期期間の長さが不明であり、改革が無期限に先延ばしされるという悪印象もある。

    2 積極的なPRの必要性
    NYの関係者に伝わるのは外国紙を通じたネガティブな報道ばかりが目に付くため、前向きの材料を、日本政府、企業が連携し、もっと強力に宣伝することが肝要である。その際、特に読者の多い外国紙へのインプットが効果的であるが、相応の予算を使ってでも、その他の有効なPR手段も探求すべきとのこと。

    (米国経済について)
    概観
    1か月前には、米国経済は緩やかな回復軌道にあるものの、企業不信から株価が低迷というのが市場関係者の説明であったが、それが、企業不信を背景に株価下落が継続すると実体経済への悪影響も否定できないという説明に変わり、最近では、相次ぐ予想を下回る経済指標の発表の影響を受け、実体経済が想定していたよりも弱い可能性があるとの見方が勢いを増している。市場関係者の間では、景気が再び後退するダブルディップの可能性が論争のテーマとなっている。

    2 実体経済の今後に関する論争
    ア 現在の多数説
     今年後半は従前よりも予想を引き下げつつもなお2.5%から3%の成長が可能。 ただし、この見通しには、個人消費が失速しないこと、新たなテロが米国で起きないこと、不動産市場が下落しないことが前提となっている。
     個人消費については、雇用状況が悪化せず、安定化している状況では個人消費の失速はないと見ている。
     不動産市場については、そもそも米国では所得増大を大きく上回った形での不動産価格上昇(バブル)は全国的には無く、日本のようなバブルの調整リスクは低いと見ている。

    イ 有力少数説
    昨年からの景気減速の大半は、IT投資の減少分で説明できるが、この他の消費バブル、不動産バブル、ドルバブルの調整が残されているとし、景気が再び後退するダブルディップのおそれを指摘している。
    不動産(居住用)は、全米は別にしても、NY、ワシントン、シリコンバレーなどの主要な地域では明らかに所得増以上に大幅に不動産価格が上昇しており、日本ほどではないにせよ年5から10%程度の調整は不可避とのこと。地価が下がると、これまで不動産価値上昇を利用して借り入れ(ホームエクイティローン)していた個人の財務状態が悪化し、消費にも悪影響を及ぼす。これまでは、株価下落にもかかわらず不動産価格が上昇していたために逆資産効果が起きずに済んでいた。

    ウ 景況判断
    こうした一連の悲観的見方を惹き起こしたのが7月分のデータであり、8月分以降のトレンド(特に雇用指標、消費指標)を見極める必要があるとするのが一般的である。ただし、そうした中でも、7月のデータは在庫積み上げ効果が剥落しただけであり、景気のベースが大きく悪化した訳ではないという指摘や、短期的にはビッグ3によるゼロ金利キャンペーンによる自動車販売増と、住宅ローン金利下落による借り換え効果(月々の負担減あるいは借り入れ増を背景とした消費増)があるとの指摘も多く、第3四半期は何とか景気はもつのではないかとの見方が有力である。
    しかし、こうした短期的効果を指摘する関係者も、その持続性には疑問を持ち、民間設備投資が回復しない限り景気の本格回復はないということでは一致している。また、企業家心理の悪化(株価下落、会計不信問題等)も顕著であることから、こうした民間設備投資回復の展望は来年に入るまでは描けず、景気回復があったとしてもその力は弱いものとするのが有力である。


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