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中国駐在員報告

2013年9月 社会・時事
駐在員 : 野村芳一


     8月に週4便の増便を行った上海・武漢便の団体予約者数が、昨年の活況を思い起こさせるほど、回復を見せた。中国東方航空静岡支店によると、団体客数は6月に74人であったが、7月は339人、8月の予約は948人と急増したという。
      また、同支店が8月の団体予約を分析したところ、上海からというより、その他の地方からの乗継便としての利用が多かったという。これを受けて同支店では、中国東方航空のネットワークを使って地方の旅行業者などに静岡便をPRしたが、当事務所にも雲南省、陝西省、広西省などの旅行業者から静岡便への問い合わせがあった。
      地方の旅行業者から、「なぜ富士山静岡空港なのか」という問いに直接答えを得ることはできなかったが、上海のある業者によると、夏休みで日本便の需要が急増したのに対して、昨年9月以来、減便や機材を小型化していた状況があったため、成田便、関空便などの航空券が手に入らなかった地方の旅行業者が、次善の策として静岡便を利用したのだという見方をしていた。よく言うと、首都圏空港などの補完である。
      いずれにしても、雲南省、陝西省、広西省の旅行業者は9月にも静岡便を利用するツアーを催行する予定という。これからは、経済力がさらに上がってくる地方においても、静岡をPRすることが重要になってくると思う。

    ・中国で10月から施行される旅游法の影響
      中国で10月1日から施行される旅游法については、以前にも報告したが、法律の施行直前になって、訪日旅行にどのような影響が出てくるか少しずつ分かってきた。
      これまで、中国で訪日旅行商品として売られているものの中には、5泊6日で4万円台など、どう考えても採算がとれないものがあった。これらを取り扱っている旅行業者がどのようにして利益を得ているかというと、必要のない土産物店を多く回って売上からバックマージンを受け取ったり、半ば強制的なオプショナルツアーを旅程の中に組み込んだりするという手法がとられていた。ツアーに参加した人は、予想していない旅行内容に不満を感じることが多かったという。
      旅游法の規程では、コストより低い価格のツアー、半強制的な買い物、別料金の観光内容などが原則禁止された。したがって、法律の施行によりコストを割るような旅行商品は、販売できなくなる。ある旅行業者によると、バックマージンなどがシステムとして組み込まれているゴールデンルート(東京大阪間を移動する訪日旅行のメイン商品)の安売り商品を売ることができなくなり、困っている業者がいるという。
      10月1日以後、旅行代金が適正な価格になった場合に、消費者の目には、内容が変わらないのに料金が跳ね上がったように映る。そうするといままで適正な料金設定をしていた良質な旅行商品との差が少なくなり、そちらを選択する消費者も出てくるだろう。
      そもそも、安売り商品しか販売していない旅行業者というのは、内容の決まった旅行商品を右から左に売るだけで、顧客の満足のために、旅行商品を企画しようという考えがなく、企画するノウハウもない。このことは、過去に旅行業者を訪問して静岡の観光をPRした際に、つくづく感じていたことでもある。だが、これからは、価格より内容で勝負できるようになるということだ。首都圏に近く、観光資源が豊富な本県にとって有利に働く可能性が強いと思う。訪日商品も、企画力がある旅行業者等から、よりバラエティに富んだものが出てくるだろう。
      現在中国では、日本の代りにタイなど東南アジア旅行が人気だという。しかし、東南アジア旅行でも安売り商品が多く、バックマージンの割合は、訪日旅行より高いそうだ。したがって、東南アジアへ旅行商品は、訪日旅行に比べてさらに価格が上昇することになり、その点で訪日旅行に有利に働く可能性がある。ただし、旅行業者の中には、日本への航空運賃は、距離などを考えると割高なので、アメリカ旅行に割安感が出て人気が出ると予想するところもある。
      現在、旅行業者の中には、現実にどこまで法の趣旨が徹底されるのか、また、消費者がどう反応するかわからないので、国慶節連休の稼ぎ時にも関わらず、10月は様子を見るとして、積極的に商品を販売しない旅行業者が出そうだ。さらに、10月は旅行代金が上がると称して、値上げ直線の安売り商法を仕掛け、駆け込み需要を狙う業者もいる。9月は、夏休みの旅行需要を満たした後の一休みとなることが多いのだが、今年の旅行業界は、まだまだ、夏の季節が続きそうだ。


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