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ヨーロッパ駐在員報告
1999年11月 経済 駐在員 : 森 貴志
風力発電の普及が現在のペースで進めば、2020年までに世界の電力需要の10%がまかなえるようになり、大幅な雇用の創出と地球温暖化防止につながるとする報告が、ブリュッセルで開かれた「ファイナンシャル・タイムス紙」主催の会議で発表された。
環境団体「グリーンピース」と欧州風力発電協会、エネルギー開発フォーラムの委託調査によると、2020年までに世界中で計120万メガワットの風力発電の稼動が可能とされる。98年度における世界の電力消費量の20%、欧州全体の消費量を上回る電力がまかなえる計算になる。
これにより、2020年までに世界で170万人の雇用が創出され、100億トン以上の二酸化炭素の削減につながると試算される。欧州に限ると、24万メガワットの風力発電の稼動が可能で、25万人の雇用創出が見込まれる。
風力発電による発電量は、94〜98年には世界で年間平均40%の割合で増加し、昨年の成長率はこれまでの最高だった。風力発電への依存率は現在、デンマークが約10%で最も高く、世界では0.15%となっている。
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